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電気更新 0執筆:jptop編集部

基本料金0円の電力会社は得か|使用量別に試算

基本料金0円の楽天でんきと東京電力EPを、東京電力エリア2026年11月の単価で使用量別に比較。調整前の合計は約248kWh以下と約332kWh以上で楽天が低い一方、調整額と市場連動リスクの注意点も整理します。

天秤と電卓、家と電源プラグのイラスト

結論:基本料金0円は、使用量が少ないほど有利になりやすい一方、電力量料金の単価と調整額も確認が必要です

  • 基本料金0円のプランとは、毎月固定でかかる基本料金(契約アンペア分など)を設けず、使った分の料金で請求する料金メニューです。楽天でんき プランSは基本料金0円です(楽天エナジー)。
  • 東京電力エリアで、楽天でんき プランS(38.00円/kWh)と東京電力EP 従量電灯B 30A(2026年11月)を、調整額を除いて比べると、月約248kWh以下と約332kWh以上では楽天でんきが低く、その間は東京電力EPが低くなる計算です(当サイト計算)。
  • ただし楽天でんきには市場価格調整額が、東京電力EPには燃料費調整額が別にかかります。市場価格調整額は毎月変動し、楽天エナジーのプランSのページでは上限・下限の記載を確認できませんでした。
  • 関西・中部エリアでは、基本料金0円でも、電力量料金の単価が高く、地域の標準プランを上回る試算になります。「基本料金0円=安い」とは言えません。

基本料金0円とは

電気料金は、ふつう「基本料金+電力量料金(燃料費調整額を加減)+再エネ賦課金」で決まります(資源エネルギー庁)。基本料金は、使用量にかかわらず契約に対してかかる部分です。

基本料金0円のプランは、この固定部分をなくす代わりに、電力量料金の単価を高めに設定している場合があります。実際の請求額は、「使う量」と「単価」の組み合わせで決まります。

基本料金0円の電力会社(公式情報で確認できたもの)

会社・プラン

基本料金

主な条件(2026年11月3日確認)

楽天でんき プランS

0円

北海道〜九州の9電力エリア。申込はWEB限定・支払いはクレジットカード限定。電力量料金+市場価格調整額+再エネ賦課金。解約金なし

Looopでんき スマートタイムONE

沖縄電力管内のみ985.00円/kW。ほかのエリアは設定なし

全国10エリア(省令で定める離島を除く)。市場連動で、制度対応費が別にかかる。解約手数料0円

Looopでんきの制度対応費は、再エネ賦課金、託送料金相当額、容量拠出金相当額です。基本料金が0円でも、固定的な費用に当たる部分が別立てで請求される点に注意してください。

楽天でんき プランSの単価(エリア別)

2026年11月1日の改定後の単価です。税込・円/kWhで、市場価格調整額・再エネ賦課金は含みません。

エリア

改定前

改定後

北海道

43.00

44.67

東北

37.40

39.24

東京

36.85

38.00

中部

37.78

39.65

北陸

36.10

36.10

関西

33.98

35.28

中国

38.70

39.89

四国

36.20

37.74

九州

38.15

39.70

改定の理由は託送料金の値上げと案内されています(楽天エナジー)。

試算:東京電力エリアで、使用量ごとにどちらが低いか

前提

前提

内容

エリア

東京電力エリア

適用月

2026年11月(東京電力EPは2026年11月1日以降、楽天でんきは2026年11月1日の改定後)

契約

東京電力EP 従量電灯B 30A

含む項目

基本料金と電力量料金の単価分のみ。燃料費調整額、楽天でんきの市場価格調整額、再エネ賦課金、ポイント・割引は含まない

結果

月間使用量

東京電力EP 従量電灯B 30A

楽天でんき プランS

差(楽天−東電)

100kWh

4,161.18円

3,800.00円

−361.18円

150kWh

5,851.68円

5,700.00円

−151.68円

200kWh

7,674.18円

7,600.00円

−74.18円

250kWh

9,496.68円

9,500.00円

+3.32円

300kWh

11,319.18円

11,400.00円

+80.82円

400kWh

15,373.18円

15,200.00円

−173.18円

計算式は次のとおりです。東京電力EPは基本料金1,176.18円に、最初の120kWhを29.85円、120〜300kWhを36.45円、300kWh超を40.54円で加えます。楽天でんきは、使用量×38.00円です。

差が逆転する使用量は、2つの式が等しくなる点で求めました。

  • 約248kWh:1,176.18+3,582.00(120kWh分)+(x−120)×36.45=38.00x
  • 約332kWh:1,176.18+10,143.00(300kWhまで)+(x−300)×40.54=38.00x

読み取れる点は、使用量が少なめ(約248kWh以下)か、多め(約332kWh以上)なら楽天でんきの調整前の合計が低いことです。ただしこれは調整額を含めない比較であり、実際の請求額の差ではありません。

調整額を足すと結果が変わります

東京電力EPの燃料費調整単価は、2026年11月分がマイナス5.33円/kWh(支援なし)です。150kWhなら約マイナス799.5円になります。

一方、楽天でんきの市場価格調整額は毎月変動します。月ごとの単価は楽天エナジーの「市場価格調整単価」ページで確認する必要があります。本記事では、公式の月別単価を取得して比較していないため、請求額の優劣は判断していません。

関西・中部エリアの260kWhの試算

同じ前提(調整額・賦課金・割引を含まない、2026年11月1日以降の単価)で、260kWhを計算しました。

エリア

地域の標準的なプラン

楽天でんき プランS

関西電力エリア

関西電力 従量電灯A 6,637.86円

35.28円×260kWh=9,172.80円

中部電力エリア

中部電力ミライズ 従量電灯B 30A 7,495.96円

39.65円×260kWh=10,309.00円

東京電力エリア

東京電力EP 従量電灯B 30A 9,861.18円

38.00円×260kWh=9,880.00円

関西・中部エリアでは、調整前の合計で約2,500〜2,800円の差があります。基本料金が0円でも、単価が高ければ合計は高くなります。エリアごとに確認してください。

基本料金0円が向く人・向かない人

向く人

  • 使用量が少なく、固定の基本料金の割合が大きい世帯。ただし東京電力エリアの試算では、100kWhで差は約361円です。
  • 別宅や空き家など、使用量が極端に少なく、最低料金に近い使い方になる契約。東京電力EPの従量電灯Bは、最低月額料金が368.64円です(2026年11月1日以降)。
  • 解約金なし・契約期間の縛りなしの条件で、柔軟に乗り換えたい人(楽天でんき、Looopでんきとも)

向かない人

  • 使用量が300kWh前後の世帯(東京電力エリアでは東京電力EPの方が低い計算の範囲)
  • 月ごとの請求の変動を避けたい人
  • 関西・中部など、標準プランの単価が低いエリアの人

注意点:市場価格調整額・市場連動のリスク

  • 市場価格調整額は毎月変動し、楽天エナジーのプランSのページでは上限・下限の記載を確認できませんでした。
  • 市場連動型は高騰リスクがあります。JEPXのスポット市場では、2021年1月13日に1日平均154.6円/kWhを記録し、それ以前の最高は26.2円/kWhでした(資源エネルギー庁)。
  • 国民生活センターは、自営業の相談者が市場連動型プランへ変更した後、月3万円程度だった電気料金が20万円の請求になった相談事例(令和3年5月受付)を公表しています。
  • Looopでんきには上限単価128.00円/kWh(全エリア同一、適用上限使用量120kWh、2026年9月1日実施の定義書)の設定があります。上限が適用される使用量には制限があるため、条件を定義書で確認してください。

仕組みは市場連動型プランとは?リスクと向く人で解説しています。

楽天でんきのポイント

楽天でんきは、対象者全員に2,000ポイントのキャンペーンを案内しています。付与は、開始月を0か月目として3か月目の月末ごろで、付与前に解約すると対象外です。終了日は同ページに記載がないため、公式で確認してください。通常の付与は電気使用量200円ごとに1ポイントで、約0.5%です(楽天エナジー)。ポイントは単価の差とは別の条件なので、先に単価と調整額で比べるのが基本です。ポイントの比較はポイントが貯まる電力会社比較にまとめました。

申し込み前のチェックリスト

  1. 自分のエリアの単価(楽天でんきなら上の表)と、現在のプランの料金表を同じ月でそろえる
  2. 市場価格調整額(またはLooopの電源料金)の直近の月別単価を、公式ページで見る
  3. 過去12か月の使用量を検針票で確認し、使用量ごとに計算する
  4. 解約条件と、契約期間を確認する
  5. Web申込にはクーリング・オフ制度がないことを理解する(訪問販売・電話勧誘販売は8日間)

よくある質問

Q. 基本料金0円なら、使わない月は0円ですか。

A. 基本料金は0円ですが、再エネ賦課金(4.18円/kWh)と電力量料金は使用量にかかります。使用量がほぼ0ならそれらもほぼ0になります。Looopでんきは、基本料金がなくても制度対応費が別にかかります。

Q. 楽天でんきは東京電力より安いですか。

A. 東京電力エリア・2026年11月の調整前の比較では、使用量により上下が入れ替わります。調整額が異なるため、一概に「安い」とは言えません。

Q. アンペアを下げる必要はありますか。

A. 基本料金が0円のプランでは、アンペアの大小で基本料金は変わりません。アンペア制のプランでの見直し方は契約アンペアの見直し方をご覧ください。

Q. 解約金はありますか。

A. 楽天でんきは解約金が発生しない(FAQより)、Looopでんきは解約手数料0円で契約期間の縛りなしです。

まとめ

基本料金0円のプランは、使用量と単価、調整額の3つで判断します。東京電力エリアの2026年11月の単価では、調整前の合計が逆転する使用量は約248kWhと約332kWhです。実際の請求は、市場価格調整額や燃料費調整額で変わります。候補を絞るときは電気のランキングも使えます。

公式サイトで料金を確認する(楽天でんき プランS)

関連リンク

出典(確認日 2026年11月3日)